母方の祖父母が亡くなってから、休日は遺品整理に彼らの家に足を運ぶこともあります。
ところがこの遺品整理、とても厄介です(-_-;)
人間、大事なモノは全部箱詰めして捨てたがらない生き物ですが、それが却って手放せない恐怖となってぞぞっと押し寄せてくるもの。個人の品がそうなら、まして故人の品はもう大変・・・。100ある祖父母の形見からたった一つを選んで、他の全てを諦めなければいけないのだから。
選択の連続の人生、たった一つを手に入れるために、他の全てを手放していく。清貧とまでは言えなくても、人を困らせるような贅沢な人間になりたくなかった、けれど人生四半世紀、選ぶことに熟れてしまった自分の未来が、少し怖くなった。命懸けで手に入れても、保証される未来なんて何処にもない、それでも僕たちは選び続けないと生きていけない。
大学の頃「大切」という言葉の意義を聞いて目から鱗が落ちたのを覚えています。大切=大きく切る、という言葉がある。本当に必要なもののためにそれ以外を全て切り捨てる、悪いものは勿論、良いものも全て。
星の数ほど諦めきれない未来があって、今でも何処かの空で煌めいている。それは僕ではない、誰かの夢になっているかも知れない。叶わないまま、性懲りもなく燃え続けているかも知れない。
空は遠すぎて、手を伸ばしても届かない。数える指は10本、抱える腕も2本しかない。
そんな散文を吐きながら、日が昇り日が沈んでいく。僕の命は、どこへ向かうのかな。