祭りの痕

 久しぶりの更新になります、婆娑羅です。

お盆の時期も近付き、今もどこかでお祭りが賑わっていると思います。

僕も7月末に、付き添い介助のバイトの関係である小学校で例年行われる盆踊りに

参加して、歳の離れた利用者さんともゆったりと時間を過ごしました。

時々は一人でスーパーの駐車場や友達の住む団地で開かれる

お祭りにも行って、懐かしい人の顔を探したり。

まぁ結局、誰とも会わずに終わるのが殆どですけどね(笑)

 

 

 中島みゆきの『帰省』ではありませんが、毎年八月と一月は

色んな意味で故郷に帰る時期だと感じます。

両親どちら側の祖父母も最近、年齢に伴って身体が不自由になったり、

或いは親戚の仕事が変わったり、可愛い子どもたちが

いつの間に大きくなったり、色んな変化があります。

 

 

 それを目の当たりにする度に諸行無常というか、儚さに似たものを

同時に抱えるのは、人生の最果てである死を見据えるからでしょうか。

僕はいま24歳で、今日までに何年、十何年と一緒に過ごした人たちが

遠い場所へ旅立つ時を目の当たりにしました。

 

 

 ロウのように白くて美しい、冷たくなった肌。

青い眼差しを見て、死を悟ったあの日。

居るのが当たり前の毎日が、居なくて当たり前の毎日に。

遠くで彼らは、僕を見届けてくれるのか。

いや寧ろ逆で、僕は彼らの在り処を喪わずに、今も留めているのか。

 

 

 

 

 

 多分僕も彼らも、永遠を望んでいるのかも知れません。

忘れたくない、忘れられたくない、そう願って生きた人もいるのですから。

自殺願望にも似た僕の絵も、きっと同じような渇望を持っているのでしょう。

それに対する結論も解決もない、ただ描き詠うことを餞にしたいと思います。

 

 

 

『祭りの痕』

 

焔硝の香り ビードロの欠片

鈴なりの提灯が 静かに揺れる

 

墜ちて逝く 秋の蝶が羽ばたいて

一つ消え 蛍火の妙

 

踊り願うあなたに 僕はいずこ

灰を抱き 青嵐は還らない

 

残り香を追う 人はいずこ

祭りの痕を見つめ 僕は独り