こんばんわ、先週の土日は諸々重なってドタバタの婆娑羅でした(汗)
Twitterをリアルタイムでご覧になった方はご存知かと思いますが、
日曜日に車に乗ってバイクショップでメンテ用品を買った帰り、
路肩の水溜りでスズメが溺れているのを見つけて保護しました。
くちばしの色から大人のようで、何かしらの怪我で上手く飛べない様子でした。
凍えないために水気を粗方取り、夏日の車内に暖房をかけて体温保持に努めました。
我ながら至れり尽くせりのはずが、コイツが結構生意気で温めてやろうと
片手でやんわり包んでやると容赦なく突っついたり、辛うじて飛べる羽で
車内の隅っこに飛び隠れたりと、率直に全然可愛くありませんでした(ーー;)
よくよく見つめると、その眼差しは猛禽類顔負けですもの・・。
我が家に着き、暫く雨宿りをさせようと僕の住む階へ上った所、
羽ばたき始めバルコニーから向かいの公園へと飛んで行きました。
「なんだ、ちゃんと飛べるではないか」とひと安心しつつ、
自室の窓からスズメが飛び立った先を眺めていました。
ところが、案の定とも言えますが、飛び立った木の下で力尽きて落ちてしまいました。
「仕方がないな」と落ちた木の下へ迎えに行くと、相変わらず逃げようと
羽ばたいていますが、その羽で空を飛ぶことは出来ませんでした。
自宅へ連れて帰り暫く様子をうかがうと、
両足を引きずったまま上手く立てないようでした。
両足を引きずり、光を恐るように物陰にバタバタと逃げ込んでいて
一先ず安心させるために、適当な小箱の中へ入れてやると多少落ち着いた様子でした。
実は、この状況には非常に参っていました。
というのも僕は小さい頃、二度もスズメのヒナを拾っては
何れも報われない結果に終わってしまったという苦い経験があり、
意識か無意識か、そのことを思い出して怖くなりました。
あの頃よりは僕も大人なので、大人らしい方法で今度こそ助けないと。
それにスズメさんも奇遇にも大人なので、少しやりやすいかな(笑)
ともかくネットで情報を探し、はじめに名古屋市の窓口へ相談することにしました。
電話に出てきたのはくたびれた調子の男性で、事のいきさつを説明しました。
ところが流石お役所というべき対応で、「野鳥は拾ってはいけない」とか
「元いた場所へ戻せ」とかの趣旨の繰り返しで、挙句の果てに
「私らも善意で行なっている訳ではありませんので」という
捨て台詞まで吐き出す結果に。
子供の頃からなりたくなかった大人を目の当たりに、善意もなければ彼らは
何のために働く?金のためなら人の命も鳥の命もどうでも良いというのか?
という憤りを残したまま、受話器を降ろしました。
結局その手の専門家に相談するしかない、と近場の動物病院を探すことに。
この日は雨が降ったり止んだりの天気で、もしもこのままスズメを見捨てていたら
どうなっていたか、そんな事が頭の片隅に渦巻いたりもしました。
小箱に入った雀と一緒に再び車で右往左往、電柱に巻かれた案内を
辿りながら住宅地へ入ると、カタカナの名前の動物病院を見付けました。
完全予約制とあって、なんの予約もないままためらいつつエントランスを
くぐると受付に若い女性が現れて、事の説明をすると
次には不在中の院長に代わって年配の女性が対応に当たってくれました。
診察室へ入り、スズメを小箱から小さな鳥かごへ移すと先ずは体重チェック。
恒温動物でも特に体温が高く、体温維持のために常に食べないといけない
ようでしたが、拾われてから何も食べていなかったのが気がかりでした。
改めて観察したところ羽や足に外傷はなく、頭部強打から
身体が麻痺してしまったという結論でした。
助手さんと雑談を挟みながら暫くして、院長が帰ってきました。
院長からも麻痺の度合いが酷く、自立は困難という結論はそのままで覆りませんでした。
応急処置として麻痺を取る注射を一本打ってもらいましたが流石は獣医、
野鳥が全く抵抗を示さない上手な打ち方には驚きました。
一先ずは僕が一晩面倒を見ることになりましたが、無事に麻痺が取れたなら
そのまま窓から放ち、容態が変わらないなら保護してもらうということに。
今回はヒナではなく大人なので、恐らく警戒心から水も食べ物も口にはしない
だろうとの事でしたが、その晩は食パンを貪るように食べました(´・ω・`)
やっぱりコイツ、可愛くないや・・・。
それでも足の麻痺から転んだまま立ち上がれない姿を見ると胸が痛みましたし、
過去のトラウマから夜を越すのが怖くて「死なないで、死なないで」
と言い聞かせながらその夜を明かしました。
翌朝もパンを貪るように食べ、ウンチも出るくらい体調も良さそうでしたが
両足は相変わらず引きずったまま、羽も上手く立たないままでした。
それでも何より、あの夜を生き延びてくれて嬉しかった。
望んだかたちとは言えあっという間に、お別れの時が訪れました。
多分僕にとってもスズメにとっても気が気ではない生活だったと思います。
スズメにとっては要するにいきなり車で誘拐されて、訳のわからん注射を打たれて、
訳のわからん場所で訳のわからんモノを食べさせられましたから(笑)
しかしまぁ振り返ると滑稽なものでして、スズメを拾った日は丁度
ポストカードの入荷日で、その中の"-One Summer's Day-"という作品は、
幼い頃に拾ったスズメのヒナとの思い出を題材でした。
この時期にスズメが落ちてくるとは、神の悪戯としか言えません(´-ω-`)
ブログの題名の「初めましての再会」は、僕の作品
"-Spring Again / ダンデライオン-"の『ダンデライオン』という詩からの引用で、
全く別の誰かから懐かしい在りし命の面影を感じた、という経験を表しました。
あの頃はヒナスズメに子どもの僕、今日は大人のスズメに大人の僕。
本当にうまい具合のめぐり合わせでしたけれど、
生まれ変わりが本当にあるのか、僕には分かりません。
喪いながらも出会いを繰り返す意味は何だろう。
取り敢えず今回は良い方向へ向かったけど、ずっとその先に何があるのか。
何度繰り返しても、よく分からない事はありました。
だけど時々でも、スズメに会いに行こうかな。
もしかしたら元気になって、飛んでいったかも知れないけどね。
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