久しぶりの日録となりますが、皆様お元気でしょうか?
昨日の夕方に新作が完成し、スキャンついでに友達の家でお喋りしていたら
「お前の絵は暗いのが多い」と単刀直入なコメントを頂きました、婆娑羅です(T▽T)
さて本日は、仕込みに仕込んだ新作"-YHWH: Your Name / アンサングと消えた足跡-"
完成に因んで諸々の雑談をしていきたいと思います(^^)
なお本作の作品解説もご用意致しましたので、こちらも宜しくお願いします!!
さて、本作も例によってグリザイユ画法を導入しての制作でしたが、
グレーの下色なしの純粋な色鉛筆塗りの箇所が比較的多いです。
というのも、グリザイユ画法は重量感のある表現には向いていますけど、
雪のような軽い質感にはあまり向いていないので(´ε`;)
色鉛筆のみの塗りは基本的に目やその他アテンションゲッター等で局所的に使いますが、
やはり新しい風景に順応するために「自分ルール」を破る必要がありますね(汗)
思えば初の色鉛筆作品の"-Grazie-"以来、こういう塗り方をしていませんでした・・。
その次作の"-Ein Morgen-"では実験的にグレーを混ぜながら制作したので、
純粋な色鉛筆塗りは相当久しぶりになります(´−ω−`)
久しぶりに背景にはすり鉢状の大きな歪み表現を採用しまして、
これは昔の失敗から生まれた表現で今も好んで使っている技法の一つです。
しかしまぁ何度見ても意味不明、何を食えばこんなのを思いつくのか(゜∀。)
Twitterなどでも散々に「固有の名前がない作品」と強調した本作ですが、
本作に限らず、今までの作品も本質的には同じだと思います。
そのせいか、作品解説を書いていても毎度語尾が濁ってしまいます。
伝えたくても言葉にしたら嘘っぽかったり、仰々しくて逆に人を遠ざけてしまう
事もあるので、それとの距離感をどう保つのかが何時もの悩みでした。
幾らでも解釈の余地のある作品を目指した結果、敢えて"YHWH"
という読めない仮の題名を付けたりもしましたが、それと同時に
大きな誤解を生む危険も現れます。
実際、神の名を振りかざして虐殺を行う人間もいますし、
偶像を神格化し、それによって世界を支配しようとする人間もいます。
本作における自由な解釈は、場合によってはこうした危険を伴うものではありますが、
それでも何か、従来の言葉や常識に囚われずに誰もが「未知」に対して、
自分の言葉で触れてみるきっかけとなって欲しいと願っています。
出来れば温かい言葉で、子どものような純粋な気持ちで。
さて、来月3月は多くの人々にとって様々な想いで溢れた時期になると思います。
二十歳を過ぎてから時間が早く過ぎるのを感じますが、それが時に恐怖にも感じるのは、
その間に多くの物事を忘れてしまうからです。
人間には二つの命があります。
肉体に宿す命と、人の記憶の中で生き続ける命です。
僕たちの身体は遅かれ早かれ、何時かは死んでしまいますが、
記憶は人々が語り続ける限り、何時までも生き続けることが出来るのです。
一人のしがない絵描きとして、僕もこうした記憶の語り部として描き続ける事を望みます。
次回作は"-Route 6 / 六号線-"です。
東北沿岸をかける国道6号線が題名の由来で、その先には今も
人を寄せ付けない場所があります。
かつて人々が暮らし、思い出に溢れた景色は今、どうなっているのか。
そんな想いを馳せながら、次作の制作にあたりたいと思います。
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