Twitterでもポロポロと呟きましたが、僕自身の生い立ちのこともあって
クリスマスは一年で最も楽しみな日です。
大人になっても幼かった頃の感動を覚えていて、出来ればそんなひと時を
分かち合えたらと願ってもいます。
昨今のクリスマスは恋人の日だとか、商戦の日だとか、いつの間にか
一部の人間のためだけの非常に閉じた時間として扱われていますが、本来は違います。
別に僕は今からクリスマスについて語りたいわけではありません。
幸せを願う、それ自体に何故か罪悪感を抱いてしまう日があって、
今年は手放しに喜べないなと感じたりもしました。
クリスマスで賑わう街にトラックが突っ込んで何人もの人が亡くなったり、
明日にも死ぬかも知れない恐怖の中で遠く辺境の地へと赴いた人がいたり、
一夜にして街が燃えてしまったり、そんなニュースがどこからともなく飛び込んできます。
『クリスマスキャロル』のスクルージおじさんではありませんが、
今年のクリスマスが忌むべき一日として焼き付いてしまった人もいるかも知れません。
実は今年のクリスマス作品は二作同時制作となります。
そのうちの二作目に"-Agnus Dei / 仔羊の小夜曲-"という作品がありますが、
この作品ではそんな手放しには喜べない聖夜の中で、それでも幸せを願う想いを
描きたいと思います。
カトリック文化の強い西洋国ではクリスマスは12月24日から1月初め辺りまで
お祝いするそうで、本作もその間に制作していきたいと思います。
最後に作品の元となった『仔羊の小夜曲』という詩を載せておきます。
苦しみを全部分かち合うことは出来ませんけど、それでも何時か、
この日々に笑顔を取り戻すことを切に祈っています。
『仔羊の小夜曲』
暖炉にくべた 薪がぱちん
うたた寝の夢に 泣き声が聞こえました
お家のない 親のいない男の子がぽつんと
寒空の下で 震えていました
目が覚めて 鈴の音ちりん
うたた寝の後に 御子の産声が聞こえました
窓辺の雪 お隣さんの男の子が
編みかけのマフラーに包まって 笑っていました
幸せを願う その時に
知らないあの子の 泣き声が聞こえちゃった
小さな羊の 真っ赤なマフラー
編み間にちらり 林檎のほっぺ
私もそこで 笑っていいのかな
夢の続きを もう一度
編みかけのマフラーと 二頭の仔羊
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