いやぁすっかり季節も月も変わってしまいましたが、久々に日録の更新です(-_-;)
もうすぐ、もうすぐと言った時から1ヶ月近くが経ってしまいましたが、
新作"-One Summer's Day / 餞の唄-"が完成しました!!
前作"-Forever Blossom / 約束の場所-"と同じ新技法を用いての作品です。
実験作としての色がまだ強かった前作から割と早く本格的な制作まで漕ぎ着けたのには、
我ながら驚きました(^_^;)
モノクロ主体のカラー作品、どうやらこの技法は世間で言うグリザイユ画法
と呼ばれるものらしく、今や専らデジタル向けでアナログでは少し珍しいとか(汗)
新しい道具を手に入れた当初、迷いや今後の表現について分岐点に立たされた
気分になりましたけど、とても良いものと出会えたと思います(^^)
素材の違う色同士が干渉し合うので滲んで広がったり、色の境目が曖昧になったりと
難しさが増した分、融合がもたらすノイズや唯一無二の交わりが
表現をとても際立たせてくれました。
しかしまぁ、そのおかげで今までHBの黒鉛筆だけで塗っていたのに、
本作では手元の色鉛筆の全24色を切り替えながら塗るハメに(T▽T)
その割に制作期間が思ったよりは長引かなかったのは不思議なものです・・。
まぁ強いて言うなら、線画の完成が今までより幾分早くなったからかな。
例に倣って、本作の作品解説その他は「画廊」にて掲載させて頂きます。
本作に限らず、やはり解説項だけでは伝えきれないことがとても多かったので、
日録ではそんな裏話をさせて頂きたいと思います。
この作品も前作同様に「死」が題材となっておりまして、実際の制作中にも
忘れられない出来事が幾つかありました。
自分にとって関係ないようにも見えても、人が死ぬのを見るのはつらいです。
例えそれが自分に関係ない人だとしても、どうにもできないのに、
遠い関係を無理に手繰り寄せて「自分が悪いんだ」なんて勝手に思い込んだりもします。
何もできないのにどうして、そんな気持ちになってしまうのか。
それは結局、自分が可愛いだけなのかも知れない。
どんなに言葉を選んでも、そういう本音はやっぱりバレてしまうんでしょうね。
だから僕たちは、祈りを捧げるんだと思います。
醜さを、不完全を、満たされない美しさを赦して欲しいから、
こんなに無様でも、生きていたいから、ただそれだけなんだと思います。
僕にとって絵を描くことは、お祈りを捧げるのと同じようなことです。
この作品でも描かれているガラサという女性は、愛と祈りを体現した存在です。
今年だけでも何度、彼女を描いたことか。
その数だけ、何度僕も祈ったのか。
この文章を書きながら思い出したことがありました。
人と人との結びつきを、僕らは友情と呼んだり「絆」と呼んだりします。
しかし「絆」という言葉には「束縛」という、一見ネガティブな意味もあります。
生きることは生かされることで、不完全であるのは助け合うためで、
有限であるのは無限への眼差しを持つためで、絶えず他者との結びつきを求めるのが
人間なんだと思います。
絵を描いたところで何かを生み出すことはできません。
けれど、在りし日の記憶を忘れないためにも、この絆を忘れないためにも、
これからも描いていきたいと思います。
さて、今後の制作について字面で予告すると100%外れることは
経験則から分かってしまいましたので、管理人のTwitterにて制作過程を
随時アップしていく形でご報告させて頂きたいと思います(^^)
今後とも婆娑羅桜火を宜しくお願いします!!
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