水曜日の楽しみ

 色々と重たい話題が重なりましたので、ちょっと趣味な内容で

一息つきますか( -ω-)y─━ =3

好きなバンドやアイドルがいる方にとって多くのCDが発売される毎週水曜日ほど

楽しみな日はないかと思いますが、本日は名古屋パルコのタワレコにて

オルタナティブバンド「それでも世界が続くなら」のタワレコ限定シングル

『狐と葡萄』を購入!!

不束ながら、レビューがてらしていきたいと思います。

それでも世界が続くなら 狐と葡萄 アトリエ-婆娑羅-

 前作「最低の昨日はきっと死なない」はインディーズ回帰でノーレーベルでの

リリースでしたが、本シングルはベルウッドレコード(思えば彼らが敬愛するbloodthirty butchersのアルバムの幾つかもそこから出たような)に籍を移してからの初リリース。

激しい遍歴にいちリスナーとしてもヒヤヒヤさせられましたが、無事新曲を

聴くことが出来て嬉しいです・・。

ジャケットは引き続きおおはましのぶさんの作で、憂鬱で絶望を思わせる少女の表情が、

微かに助けを求めて振り向いたようにも見えて感慨深いものがあります。

 

 帯には例の如くそれせか特有の「取り扱い上のご注意」があり、

これは是非とも手に取って確かめて頂きたい所です(笑)

完全に趣味の話ですが、本シングルの歌詞カードはバンド史上初?の縦書きで、

横書きが苦手な僕には読みやすかったです(^^)

 表題曲『狐と葡萄』も含めて今回はとにかく驚かされました。

MVが公開される前はてっきり前レーベル最後のアルバム『僕は透明になりたかった』や

ノーレーベルの『最低の昨日はきっと死なない』を踏襲したノイズギターと

歪んだベースが唸りをあげる同室一発録音のスタンスをより深化させるかと思いましたが、

そんな甘い読みを見事に裏切ってくれました。

 

それでも世界が続くなら 僕は透明になりたかった アトリエ-婆娑羅-
それでも世界が続くなら 最低の昨日はきっと死なない アトリエ-婆娑羅-

 リリース前「前回のアルバムが何かの儀式のように思えた」というコメントが

ありましたが、その儀式を経て一皮むけたバンドに生まれ変わったと思います。

普遍的なメロディへの回帰を果たしつつ、それまで歌い続けた言葉への一層力強い返事を

バンド自身に対して、それを聴く僕たちに対して歌いかけているようです。

このバンドの歌詞はいつも心を打つ言葉がありましたが、今回の三曲からは以前に

増してずっと心強く感じます。

 

-それでも「生きていたい」と泣いてる

             『狐と葡萄』

 

-知りたいのはいつだって出口のこと

           『弱者の行進』

 

-ボロ雑巾みたいな僕らの無様な生き方を

 笑う人達の声が まるでセレモニー

          『僕らに許された時間』

 

 

 僕は既に幾つかのバンドの曲を追いながら聴いていて、それぞれのターニングポイントに

ハッとさせられた経験もありましたが、それでも世界が続くならのそれは、

他とは全く違う、特別なものを感じさせました。

「音楽を聴いていて、こんなに嬉しかった瞬間ってあったっけ?」

と思わず振り返ってしまうくらい、感激してしまいました。

 

  今は聴き手としてですが、僕は音楽が大好きです。

けれどその気持ちが強くなればなるほど、音楽が嫌いになってしまいます。

皆がカラオケで歌うような「愛してる」とか「君を守りたい」の連呼には

嫌気が差してしまいます。

 

 その言葉にどれだけ重い責任が付いてくるか、考えたことがあるのか?

本当は自分が好かれたいだけなんだろう、嘘くさい。

 

 こんなふうに弄れてしまうのも、好きという気持ちの裏返しがあったからだと思います。

そんなことよりも素敵な言葉たちが陳腐化されて、ギラギラの虚飾を纏って売り物に

される姿を見たくはなかった。

その言葉が欲しくて、孤独で泣いている人がどこかにいるはずなのに。

愛情は買えない、心は買えない、それなのに言葉は買える。

こんな酷い話はない、一体誰のために歌っているんだ。

 

 それでも世界が続くならは、大文字の音楽に見捨てられた人たちのために

歌っているバンドだと強く確信します。

インディーズ期の三枚のアルバムや本シングルが破格で発売されたのも、

言葉や音楽は売り物ではなく、人に伝えるためだということを

何よりも自覚していたからだと思います。

このシングルについて、このバンドについて書きたいことが増えていく一方ですが、

これ以上言葉にしたら嘘っぽくなるのでここまでにします。

今まで音楽を聴いてきて、このバンドと出会えて本当に良かったです。

 

 名古屋にもワンマンライブに来てくれるという情報がありましたので、

いよいよ音源を飛び越えて、ライブハウスで会ってみたいと思います!!

例の「超粗品」についても気になる所ですからね(笑)