さて全く予告なしの制作となりましたが、
「宮城県七ケ浜町 since3.11 -約束の海へ-」の表紙絵として
"-約束の海へ-"という作品を掲載させて頂きました。
こちらも前作"-Star in The Desert / 砂漠の星-"と同様に背景と塗りは修正なしの一発描きで、
2~3時間ほどの短い制作となりました。
本作については特段、解説などはご用意しておりません。
殺風景なコンテンツを彩るためというテクニカルな目的もありましたが、それ以前に
純粋な意思表明として、このような作品を描かせて頂きました。
「人は人を救うことができない」という言葉は僕の座右の銘の一つですが、
七ケ浜町の方々と出会った記憶をなかったことにすることは、僕には出来ませんでした。
ずっと寄り添うことが出来なかったこと、束の間の別れだけを残してしまったことには
とても後悔がありますが、震災の記憶を忘れず、そして語り伝えていくという
せめてもの約束を表現の力を持って果たしたい所存でございます。
決して容易いことではなく、ひょっとしたら十何年以上掛かる大変な約束となる
かも知れませんが、一歩一歩踏みしめて、続けていきたいと思います。
こういう時にもし黙って見ぬふりをするようであれば、あらゆる表現は虚しい戯れになり、
他の表現者に対する冒涜になるのではないかという恐れさえもあります。
これからの人生、もしかしたら二度と七ケ浜町に訪れることができない
かも知れませんが、このような制作を通して、七ヶ浜の方々との絆を繋いでいけたらと、
心より祈るばかりです。
あと数時間で朝陽が昇ります。
七ヶ浜の浜辺で見た朝陽を、今でも覚えています。
僕たちは今、とても遠くに離れて暮らしていますが、今日もきっと、
同じ朝陽が僕たちを照らして下さるでしょう。
例え曇り空だとしても、確かに光があることを、忘れることはありません。
コメントをお書きください